サッカー日本代表や侍ジャパンを飛躍させた指導法!組織を“底アゲ”するマル秘メソッドを公開

取得元:https://plus.tver.jp/news/140458/detail/

6月17日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)では、ボトムアップパーソンズ協会の理事を務める元サッカー選手で指導者の畑喜美夫をゲストに迎え、組織を“底アゲ”する方法について、トークを繰り広げた。

高校時代はU-17日本代表に選出され、長谷川健太や武田修宏と共にプレーした畑は、U-20日本代表を経て、指導者の道へと進む。2006年には地元である広島観音高校のサッカー部を指導。インターハイ初出場・初優勝に導いている。その後はU-16日本代表のコーチも務めており、広島と縁の深い森保一監督とも同じ指導者として親交が深かったという。

カタールW杯で強豪のドイツとスペインを破り、歴史的な勝利を収めた森保ジャパン。その勝因は、試合で苦しい場面になったときでも選手たちが自らピッチで解決法を見出したことにあった。選手たちが当事者意識を持って主体的に行動するために、森保監督は日頃から対話を重視し、意思決定の場面でも全ての人が関わるようにしていたという。

畑は、そんな森保監督の考え方を象徴するエピソードを披露。それは練習中のこと。いつまでもピッチ上にいると選手たちが監督を頼ってきてしまうそうで、畑は「(森保監督が)いかに早くピッチから自分の姿を消すかというのをイメージしながら指導しているというのは言っていました。そうすると、選手の中でコミュニケーションをしながら、細かなところを詰めていくようになる」と明かした。

戦術と役割は決めるが、練習や試合でどう動くのかは、あくまで選手次第。選手同士で考えさせるために、あえて姿を消すのが森保流の指導法だった。自分の意見を押し付けるトップダウン型ではなく、一人一人の考えを理解して尊重し、選手自身に主体的に行動させるボトムアップ型の指導は、WBCで日本を14年ぶりの王座奪還へと導いた侍ジャパンの栗山英樹監督も行っていた。

畑は、そんなチームを底上げするメソッドを育成年代の指導にも採用。1年前に畑が広島市で立ち上げた小学生や中学生を対象としたサッカースクールでは、4人で協力しながら立ち上がる練習や、立候補制で決めたリーダーごとにチームを分けて行うミニゲームなど、コミュニケーションを底上げするためのトレーニングが行われていた。

力を合わせないと達成できない状況をあえて作り、みんなで話し合って解決方法を考えさせることで、チームで課題を克服するための力を養っているのだという。畑は「わざと問題を起こしていく“逆転発想アプローチ”というやり方です。力をつけるためには、例えば負ける試合も遠征や大会で入れていないとうまくいかない」と主張。MCの勝村政信や、解説の北澤豪を感心させていた。

畑はサッカースクール以外の場所でも指導を行っており、広島市内のイタリアンレストランでは、従業員の自覚を底上げするために、ある制度を導入していた。それは、社員やアルバイトを問わず、一人ひとりがリーダーとなる“全員リーダー制”というもの。畑は「目標や目的の共有というのはすごく大事だと思っていて。売上や店の方針なども全部、社員さんやバイトさんで決めるようになっている」と説明。この制度によって、責任に対する自覚がそれぞれ芽生えるようになるのだという。

畑は、池谷実悠アナウンサーからの「すべて任せるって言われたら、ちょっと重いというか。バイトで入って全部任されても困るんですけどってなっちゃうんですけど。その辺はどうされてるんですか?」という質問にも、「例えば、あいさつリーダーとか、整理整頓リーダーとか、自分のできるもの。目標や目的の達成のために、周りの人に良い影響を与えることができれば、リーダーシップを取っているということにするんですね」と答えていた。

畑は全国制覇を成し遂げた広島観音高校を指導した際にも、試合などは選手に任せていたそうで、「60人いれば60通りのリーダーがあるわけですから。監督も選手に任せていたぐらいです。キャプテンが試合をコーディネートしていきながら、どうするかというところを積極的にやって日本のトップを取った。僕がコーヒーを飲んでいたら優勝しちゃったみたいな」とユーモアを交えながら、優勝時の状況について話した。

また、選手個人のモチベーションについても意識していたそうで、畑は練習前の選手にパーセンテージでやる気を示させ、ウォーミングアップの段階でそのやる気を1%でも上げるように指導。その方法は各々の選手に任せており、「音楽でも、本でも、仲間と一緒にトレーニングすることで上がるという子もいる。そういうモチベーションが上がるものを5つか6つ作らせました」と打ち明けた。

自身のやる気スイッチを作らせ、短時間でモチベーションを上げさせることが勝利への鍵。元日本代表の長谷部誠は、W杯などでは試合前に必ずMr. Childrenの曲を聞いて試合に臨んでいたという。

さらに、畑は広島観音高校でサッカーの道具や部室などを綺麗に整えるように指導。道具や部室を整えることは、心を整えることにつながり、澄み切った心で試合に臨むことができるようになるという。実際に日本代表のロッカールームや侍ジャパンのダグアウトの綺麗さは、海外メディアでも話題になるほど。畑は「こうしたことがサッカーではパスやバックラインの精度につながります」と指摘。北澤の「スパイクを磨いても点を取れるわけじゃないんだけど、思いを込めることが三笘の1ミリにつながったりするんだろうなというのは思いました」という言葉に、勝村も「やっぱり念っていうのは宿るんだよね」と同意していた。

関連リンク
『FOOT×BRAIN』これまでの放送まとめ

“神様”ジーコが明かす熱い思い「日本サッカーの発展に少しでも役立ちたい」

伊沢拓司がJリーグクイズ大会を提案!チェアマンに売り込む姿に影山優佳も感心「こういう人が売れるんだな」

モンテディオ山形が学生によるマーケティング部を発足!斬新な企画に福田正博も感心「おじさんにはない発想」

北海道コンサドーレ札幌の新ユニフォームに込められたデザイナーの思い「責任を感じながら…」

 

関連記事: