高橋海人“若林”、森本慎太郎​​“山里”への解説ラブレターは視聴者の想いでもある『だが、情熱はある』

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若林正恭(King & Prince・高橋海人)の語りはなぜ、あんなにも泣けるのだろう。

山里亮太(SixTONES・森本慎太郎)としずちゃん(山崎静代/富田望生)​​​​の漫才はなぜ、面白いのに涙が止まらないんだろう。

そんなことを思った『だが、情熱はある』(日本テレビ系、毎週日曜22:30~)第11話​。今回、ターニングポイントを迎えた2人は、どこへ向かうのだろうか――。

若林のコラム、山里の漫才



エッセイの連載を始めた若林。本編では、パソコンに綴った文章を、若林の語りで読み上げられるシーンがあった。

祖母の鈴代(白石加代子)、父の徳義(光石研)、そして先輩芸人・谷勝太(藤井隆)​​が亡くなり、そのたびに自分の想いをエッセイにしたためてきた若林。約3か月にわたって、若林の人生を見てきたからこそ、彼の言葉がグサリと刺さった。なにより、文章や語りが慈愛に満ち溢れていたし、若林の“目線”で見る世界はハッとさせられる――。その深い愛が我々に届かないはずがない。

一方、オリンピック出場を目指して、ボクシングに没頭していたしずちゃんだったが、その願いは叶わず、夢を諦めることに。ただ、ボクシングと向き合う中で、山里に対する想いが変わっていった。しずちゃんは「山ちゃんはこんくらいの気持ちでお笑いやっててんな、って」と言い、再び『M-1グランプリ』に出たい旨を山里に伝えた。

マネージャーの高山三希(坂井真紀)にどうするのか問われた山里は、顔を歪ませ「覚悟が必要です」と返答。その後、自身のラジオ番組にしずちゃんを電話出演で招き、改めて『M-1』に挑戦することを表明した。『M-1』に出場するかいなか……「覚悟」と「決断」のシーンで見せた森本の表情がたまらなく魅力的だった。

若林が贈った山里への想い



若林と山里にとってのライフワークとなっているのが、レギュラー出演中のラジオ番組だと思う。そのラジオで印象的な場面があった。

残念ながら『M-1』決勝には進めなかった南海キャンディーズは、スケジュールの都合で敗者復活戦には参加できず、自動的に敗退が決まった。

その後、ふたりは決勝で披露できなかった漫才をラジオの生放送で披露した。会場は、ラジオブースだ。おそらくこれまでで一番狭い舞台だったと思う。でも、彼らの声は、全国のリスナーが聴いていて、各地で笑いが溢れていたはず。紆余曲折あった南キャンが命を削って見せてくれた漫才は、とてもカッコ良かった。

若林は、父の葬式で巻き起こった出来事をオードリーのラジオ番組で話した。春日俊彰(戸塚純貴​​)​​との掛け合いは当時そのままの空気感だったし、悲しい話のはずなのに、若林のトークになんだかグッときた。若林の母・知枝(池津祥子)がラジオを聴いて泣き笑いしていたが、私もまったく同じ状態になった。​​

そんな中、若林が、山里の著書「天才はあきらめた」の「解説」を担当することに。そこには、山里がいかに芸人として優れているのかが書かれていた。ここでも、若林の語りが沁みる……。

「標準語のツッコミの歴史は、山里亮太以前・以後に分けられると思う」

「彼が言われたら一番困る言葉であり、一番言われたい言葉を言おう。『山里亮太は天才である。』」

本人はそのつもりがないかもしれないが、これは山里へのラブレターそのものだ。山里に対しては視聴者も同じことを思っていて、若林が言語化してくれた。だから、その言葉一つひとつが泣けてくる。

私も、このコラムは作品や出演者への「ラブレター」のつもりで書いている。ただ、これを読んでいるあなたにもドラマへの情熱があるはず。SNSを見てみると、多くの人が、愛情たっぷりにドラマのことを書き込んでいるが、本作は「想いを吐き出さずにはいられない」不思議な作品なのである。

出演者、スタッフ、モデルとなった若林や山里だけではなく、視聴者をも巻き込んで熱を放ち続ける『だが、情熱はある』。ラブストーリーでもない、ヒューマン系でもない、考察系でもない、まったく新しいドラマのかたちとして今後も語り継がれる名作だと思う。

感情を揺さぶられた第11話が終わり、残すは最終話の6月25日を迎えるだけとなった。新型コロナウイルスが猛威を振るい、「たりないふたり」の解散ライブは、無観客に。ネット配信にもかかわらずチケットは54000枚売れ​​て……。

文・浜瀬将樹

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