定時上がりの総務部長・堤司治（竹財輝之助）と残業三昧の社畜OL "まるちゃん"こと丸山真由美（中村ゆりか）との"お試し同棲"が始まった『部長と社畜の恋はもどかしい』（テレビ東京ほか）第7話。
疲労困憊のまるちゃんの体調を気遣ってお粥をさらっと出し、平日は栄養バランスの取れた手作り弁当まで持たせてくれて、早速合鍵も渡してくれる堤司部長。まるちゃんの"部長"呼びも"治さん"呼びへと変わり、2人は今まさに幸せの絶頂にいる。
これまで散々遠回りとすれ違いを繰り返してきた2人の不毛とも言える努力が実り、ようやく互いの心が通い合ったかと思いきや、思いがけぬ強敵が現れる。
営業部のエースでまるちゃんの同期・拝島（佐野岳）が長期の大阪出張から本社に戻ってきたのだ。猛烈社員、かつ"社畜仲間"の拝島とまるちゃんは互いを「ハイジ」「ペーターまるこ」と呼び合い息ピッタリ。そんな様子を目の当たりにした堤司部長はもちろん心中穏やかでない。思わず「働きすぎ自慢なんて今時流行らなさすぎて恥ずかしいですよ」と、盛り上がる2人の思い出話に水を差してしまう。その裏に確かに嫉妬心があったことを自覚し後悔する堤司部長に追い討ちをかけるようにまるちゃんからとある提案が入る。会社でうっかり名前呼びが出てしまっては困るため家でも"部長"呼びに戻すと、相変わらず一進一退を繰り広げる彼らの恋模様はどこまでももどかしい。
ただ、堤司部長の心配も全くの杞憂という訳ではなく、拝島はまるちゃんに対してずっと変わらず好意があるようで、まるちゃんに彼氏ができたに違いないことも、そしてその相手が堤司部長であることにもすぐに行き当たる。まるちゃんに対しては"30歳になっても結婚してなければお嫁にもらってやる"という約束を１年前倒しにするとジャブを打ってみたり。堤司部長には敵意剥き出しで「セロリ好きですか？（中略）けど、あいつセロリ嫌いですよ」とマウントをとってみたり。「四十男の嫉妬なんてみっともないですよ。もっと大人だと思ってましたけど。その程度とはね」「気になりますよね？"堂波（ドーハ）の悲劇"。だっさ」と繰り出す一言一言がいちいち痛烈で殺傷力が非常に高い。
遂には「あいつの一番の理解者はいつも定時で上がるあなたではない。共に社畜として戦ってきた俺なんで」と正々堂々と宣戦布告。
佐野の燦々と輝く目力が本作での役どころ、ラブコメにおける手強いライバル役にマッチしすぎている。内心照れてばかりで、意外にも肝心なところでストレートに想いを言葉にできない堤司部長にとって、拝島の存在はかなりの脅威となり得る。
佐野と言えば、そのずば抜けた身体能力の高さから、主演を務めた『仮面ライダー鎧武/ガイム』（テレビ朝日系）や『HiGH&LOW』シリーズなどで存在感を発揮し、本格アクションのイメージが強い。『陸王』（TBS系）では、長距離陸上選手・茂木（竹内涼真）のライバル選手・毛塚役を見事熱演した。『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』（フジテレビ系）での掴みどころがなくミステリアスなフリーの記者役から、『健康で文化的な最低限度の生活』（カンテレ・フジテレビ系）での壮絶な過去を抱えた青年役まで、どこか影のある役どころが続いていたように思える。そう思うと、本作の拝島のようにその存在だけで職場の士気が高められるムードメーカーで陽な印象全開の王道キャラクターは、彼にとって珍しい役柄と言えるだろう。
次週、拝島が一気にまるちゃんと距離を詰めようとするようだが、彼はまるちゃんの気持ちを少しでも自分の方に振り向かせられるのだろうか。
（文：佳香（かこ）／イラスト：月野くみ）
【第8話（2月23日[水]放送）あらすじ】
拝島（佐野岳）から宣戦布告された堤司（竹財輝之助）は、真由美（中村ゆりか）と拝島のことが気になって仕方がない。ある日、真由美のもとに、拝島と2人で箱根への出張ができたと連絡が入る。それを聞き、嫉妬心が治まらない堤司だが、翌日、冷静を装い真由美を見送るのだった。
一方の真由美は、拝島と箱根に向かっていたが、いつもと違う拝島の言動にドキドキ･･･!?
そして、取引先のご厚意で、拝島と箱根に一泊することになり･･･！◆番組情報
ドラマParavi『部長と社畜の恋はもどかしい』
毎週水曜深夜0：30からテレビ東京ほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」で前週水曜日の夜9時より毎話独占先行配信中
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