まず、小林先生によると、マスクによる肌トラブルの主な原因は以下の三つ。
1.マスクと肌の摩擦
「マスクをしながら会話するなどして口を動かすと、摩擦が起き、肌のバリア機能を破壊し、肌荒れやかぶれが起こります」（小林先生）
2.マスク内の衛生環境の悪化
「マスクの中は温度と湿度が高く、細菌にとって居心地のいい環境で、口の中の雑菌がマスクの中で繁殖します。すると肌をダメージから守る機能が弱まり、肌荒れやニキビの原因菌の繁殖を許してしまいます」（小林先生）
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3.マスクを外した後の急激な肌の乾燥
「マスクを着用している間は吐いた息がマスクの中に充満することで湿度が高まり、一時的に肌の水分量が高まります。しかし、マスクを外すと一気に水分が蒸発してしまうため、かえって肌が乾燥してしまいます。お風呂上がりに一気に肌の水分が蒸発して乾燥してしまうのと同じ状態です。こういった急激な乾燥が肌荒れやニキビの原因になります」（小林先生）
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■マスクによる摩擦対策
では、マスクによる肌トラブルには、どう対処すればよいのか？それぞれの対策方法を小林先生に解説いただいた。
まず、マスクによる摩擦対策は「マスクの中にガーゼを入れる」こと。
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「使い捨ての不織布のマスクは、使用すると生地と肌の摩擦で繊維が毛羽立ってきます。長い間同じマスクを使い続けると、この毛羽立った繊維が肌を傷つけ肌荒れの原因となります。肌を傷つけないためにも、不織布マスクは可能であれば毎日新しいものに交換しましょう」と小林先生。
「不織布のマスクと肌の摩擦を減らすには、マスクと同じ幅に折りたたんだガーゼをマスクの内側にはさむとよいでしょう。そうすることで、不織布マスクをそのまま使うより摩擦を減らせます」ということだ。
不織布以外のマスクでも摩擦は起こるため、同じように対策をとったほうがよいとのこと。
■マスク内の衛生環境を悪化させない対策
続いて、マスク内の衛生環境を悪化させない対策は、「マスクの中の汗をそのままにしない」こと。
「汗をかいた時はこまめにマスクを外して、汗をふきましょう。汗をそのままにしておくとマスク内が不衛生になり、ニキビの原因菌が繁殖しやすくなります。汗をふいてマスク内の衛生環境を保つことで、ニキビの原因菌の繁殖を抑えることができます」と小林先生。
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外出先で口元を水洗いするだけでも、マスクの中の衛生環境は改善されるとのこと。
さらに、先ほどのマスクに入れるガーゼについても「汗をかいたり、マスクの匂いが気になり始めたら交換することで、マスク内を清潔に保つことができます」と小林先生。ガーゼは今の時期であれば、外にいる場合、1日2回ほど交換するのが望ましいそう。
■マスクによる肌の乾燥対策
マスクによる肌の乾燥対策は、「2～3時間に1回マスクを外して保湿」すること。
「マスクを外した際はできるだけ速やかに保湿スプレーなどを使って保湿することで、肌荒れ防止につながります。2～3時間おきに一度保湿スプレーするのが望ましいです」と小林先生。
また、人との接触や感染の恐れが少ない部屋にいるときは、できるだけマスクを外しておくのが良いとのこと。
■バリア機能が低下した敏感肌の洗顔方法は
また、「マスクの着用で肌のバリア機能が一時的に低下した敏感肌は、いつもより優しくスキンケアすることが大事です」と小林先生。
「敏感肌の場合、洗顔は肌と同じ弱酸性の性質をもった洗顔料がおすすめです。洗顔料はしっかり泡立て優しく洗いましょう。汚れをしっかり落とそうとゴシゴシ洗うと肌に負担をかけ、必要な皮脂まで落としてしまいます。あまり時間をかけずにさっと洗いましょう」とのこと。
さらに洗顔後のスキンケアについては「たくさんつけても肌への浸透が高まるわけではありません。マスクで敏感肌になっているときは、スキンケアのやりすぎはかえって肌のバリア機能を乱す場合があります」という。
肌トラブルがあるときは、肌の調子をみながらスキンケアをシンプルにして、スキンケア用品は多くても2～3品にとどめるのが良いそうだ。
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