アントラーズ買収、メルカリが企む未来都市鹿島

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「スタートアップ」が未来を創る――。話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

今、世界でイノベーションの起点として注目されているのが、都市や地域とテクノロジーとの組み合わせだ。鹿島アントラーズの経営権取得を契機に、メルカリはテクノロジーを駆使して、鹿島と言う地域の抱える課題に取り組む考えだ。新たなイノベーションやビジネスが、カシマサッカースタジアムから生まれようとしている。

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瀧口:今回の日経スタートアップXは、前回に引き続き茨城県のカシマサッカースタジアムからお届けします。引き続き村山恵一さん、よろしくお願いします。

村山:よろしくお願いします。

瀧口:そしてゲストのお二人をご紹介させていただきます。メルカリの会長で鹿島アントラーズFC社長でいらっしゃる小泉文明さん、そして鹿島アントラーズFCマーケティングダイレクターの鈴木秀樹さんです。後半もよろしくお願いします。

小泉・鈴木:よろしくお願いします。

瀧口:さて、今回はメルカリがテクノロジーを使い、地域と一体となってどういうことをしていくのか、どう変わっていくのかというところを伺っていきたいと思います。具体的にテクノロジーを使った実証実験というのはこれまでどういったものをされて、今後はどのような計画があるんでしょうか。

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小泉:地域の課題は多々あると思っていまして、例えば交通の課題。渋滞もそうですし、将来的には信号をネットワーク化していったりしたいと思っています。もちろん警察や県とも精査が必要ですが。交通の課題についてはアントラーズの試合がある日にかなり渋滞してしまうので、その日をめがけていろいろな実証実験をしたり、ライドシェア(相乗り)みたいなものも当然あると思っています。

それ以外にも地域の課題というのは人口減少もそうですよね。テクノロジーは関係ないですけど、例えば出会いが少ないと言われている中でサッカーの試合をうまく使ったり、地域の課題に対してフットボールチームやテクノロジーがどう応えていくのかというところにビジネスのチャンスがあるんじゃないかと思っています。

瀧口:やはり場所柄遠方から来られる方も多いですよね。そういった特性が他のスタジアムとも違う部分も多いんでしょうか。

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鈴木:それは大きく違いますね。約50%くらい首都圏から観戦に来ている方がいるので、それだけ時間とお金がかかっているわけです。勝ち負けもすごく大事ですけど、往復のストレスをどう軽減するか。それ以上にスタジアムの楽しみをどう提供するかということはすごく大事なことかと思います。

瀧口:サッカー好きの友人に聞いたんですけど、東京駅からカシマサッカースタジアムまでバスが出るようになって本当に楽になったと。しかもそのバスはビジネスマンの方も利用できて、サッカーファン以外の方にもすごく役立っているという話を聞きました。

鈴木:今「東京―鹿島間」は鉄道より高速バスが主流になってきて、それが試合日には増便されるんです。去年で言うと最大30本くらい増便しているという感じです。

瀧口:そういった改革の部分にもっとテクノロジーが入ってくるということですよね。

小泉:そうですね。逆にそこで1時間半から2時間くらいバスに乗っているので、Wi-Fiを積んだりスポンサーさんと一緒に何かコンテンツを提供することも可能だと思いますし、地域で言えばバスや自家用車で東京からここまでたくさんの方が来てくださっているので、サッカーの試合の前後にどうやって街に人を流していくか。

街の飲食やコンテンツを楽しんでいただくような情報を僕らがどう提供するのか、せっかく交流人口でたくさんの人が(茨城・)鹿嶋市に来てくださっているので、どうやって地域と触れ合ってお金を落としていただけるか考えて、また来たくなるようなものを作っていきたいと思います。

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村山:地域にそれぞれ固有のニーズがあったり課題があったり、それをテクノロジーでどういう風に解決していくのかという切り口からいろんなイノベーションが起こるというのが世界各地で起こっていると思うんですよね。

例えば私が注目しているものに「mercari R4D」という研究開発の組織がありますけど、人工知能やブロックチェーンなどの技術があり、また地域に根差したアントラーズというある意味の「場」も持たれている。この掛け算というのは結構世界の大きいトレンドにもはまっているし、今お話しいただいたようないろいろなシナジーが出そろうことはたくさんあると思うので、いろいろ期待できそうですよね。

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