同ドラマは、脚本家・遊川和彦が描くアラサー男女7人のラブストーリー。「付き合いませんか」「付き合いたいです」といった言葉が飛び交い、3組のペアが成立した第4話の放送後は「どのペアも応援したくなる」「毎週泣いてるけど泣けた」「早く全員幸せになって」などのコメントでSNSが賑わった。
第5話、出会って1か月の郷雄馬(前田公輝)と近藤奈美(深川麻衣)は、家族の同意を得ぬまま結婚に向かって一直線。久米真和(福士)と今村絵里加(岡崎紗絵)、淵上多聞(本郷奏多)と冨田栞(成海璃子)の4人に幹事を頼み、ささやかな結婚パーティーを開催することにする。しかし雄馬と奈美は、結婚準備で金銭感覚や価値観の違いに気付き、だんだん雲行きが怪しくなっていく……。
真和は、執筆したドラマの第2話放送を一緒に見ようと、絵里加を部屋に招いた。そこにやってきたのは、かつて男と駆け落ちした、真和の母。真和は母親と口論になり、絵里加は深夜にもかかわらず1人で帰らされてしまう。
多聞と栞は幹事の仕事をテキパキとこなし、職場でも関係は良好だった。多聞は童貞であることを言えずにいたが、折を見て栞に伝える決心をする。
そして迎えた結婚パーティーの日。参加した真和の元カノ・稲葉愛(佐々木希)が、幹事4人の異変に気付く。面白がって舞台裏を覗いた愛は……。
雄馬と奈美の「結婚狂騒曲」と、巻き込まれた親友たちのドタバタがコミカルに描かれた第5話。ささやかな結婚パーティーのはずが豪華になっていたり、ウェディングドレスの値段をめぐって新郎新婦の間に溝ができたりと、さまざまな「結婚あるある」が描かれて共感した人も多いだろう。
また、真和と絵里加が招待状を送ったり、多聞と栞がレストランの値段交渉をしたりしながら、停滞していた関係を改善していく姿も描かれ、前向きな気持ちに。奈美役の深川のウェディングドレス姿や雄馬を演じる前田の王子風の衣装も必見だ。
見終わった後に考えさせられるのは、恋愛の距離感。相手を理解したいと思って近づいても、急に近寄ると相手が引いてしまったり、ぶつかって関係が崩れたりしてしまう。だからこそ多聞のように「しんどいことばっかり」と思ってしまったり、真和が言うように「出会う前よりも遠い関係」になってしまったりする。視聴者は彼らを鏡に「付き合う」ことの難しさを感じ、ヒントを得られるところもあるだろう。
距離感で興味深いのは、真和の父と母の関係だ。真和が母親のことを悪く言うと、温厚な父親が「母親を蔑むようなことは二度と言うな!」と怒りを露わし、「母さんは、いつも恋をしてないと駄目なだけなんだ」とまで言って擁護する。遠く離れても、心の糸で見守り続ける。この距離感もまた、一種の愛の形として提示されているようだ。
もう一つ距離感で気になるのは、愛と、その息子の関係性だ。愛する息子ともう一度暮らすために就職活動をするもうまくいかず、酒に溺れたり、レンタル彼女のバイトに戻ったりと、何もかもうまくいかない愛。そうして今回「新たな道」に踏み出したことで、息子との距離は、どうなってしまうのか。華やかさの裏に哀しさを滲ませる佐々木の好演とともに、第6話に注目だ。
<文・泊貴洋>
<第6話あらすじ>
結婚パーティのドタキャンで破局を迎えた郷雄馬(前田)と近藤奈美(深川)に連鎖し、ケンカ別れをしてしまった淵上多聞(本郷)と冨田栞(成海)、久米真和(福士)と今村絵里加(岡崎)は、それぞれ心に傷を抱えながら今後の身の振り方を模索し始める。
多聞は、「I=自分」のない生き方からの脱却を決意。人に気をつかうことをやめ、自分の好きなように生きていくと真和たちに宣言する。その多聞に恋愛を否定された栞は、振られた腹いせに恋愛しまくるモードに突入。マッチングアプリでデート相手をゲットし、即行動を開始する。
一方、奈美は自力での結婚を諦め、おとなしく母親が勧める相手とお見合いすることに。「eye=見る目」のなさを自覚した雄馬も、結婚相談所を頼って相手探しを始める。そして、絵里加は恋愛からの撤退を決断。対して真和はマッチングアプリの使用を再開する。
そんな中、脚本の仕事で真和にピンチが訪れる。絵里加と別れ筆が鈍っている真和に、プロデューサーがAIの使用を提案。真和は反発し、自力で原稿を仕上げるのだが……。
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