本作は松岡が女装した大柄な家政夫・三田園に扮し、派遣先の内情を覗き見ながら秘密を暴き、家庭を再生へと導く痛快“覗き見”ヒューマンドラマ。最終話は「和菓子のももやま」の会長・桃山宗次郎(小野)が暮らす森の中の大邸宅を舞台に、遺産相続を巡って繰り広げられる桃山一族の骨肉の争いにスポットが当たる。
黒木は桃山家の長女で「和菓子のももやま」の社長でもある美しい淑女・麗子を演じる。麗子の依頼を受けて桃山家に派遣された三田園と矢口実優(桜田ひより)だが、実優と麗子はかつての教え子、教師の間柄でもある。大邸宅には「和菓子のももやま」の新商品お披露目レセプションを前に、麗子の夫・康介(宮川)、宗次郎の弟・哲平(有薗芳記)、秀一(村杉蝉之介)らが集まっている。
そんな一族の食事の最中に突然、実優は真っ赤に染まった果物ナイフを手にして現れ、「私……お爺様を殺してしまった」と告げる。慌てて宗次郎の元に向かった親族は部屋の中、座ったまま胸を赤く染めた宗次郎を発見する。最初は実優によるナイフを使った殺人だと思い込んだ親族だが、実は実優の注いだトマトジュースに含まれていた蕎麦粉によるアナフィラキシーショックが原因だと判明。その後も事態が二転、三転とし、警察を呼ぼうとする秀一を麗子が止めに入ったことでさらに犯人探しは混沌とした状況に……。
宗次郎が事件の直前に残した「M」という謎の文字など、ミステリーファンにはたまらない仕掛けが続々と登場し、ここに名優たちの“意味深”で“匂わせ”な会話劇が加わって、最終話にふさわしい上質な謎解きサスペンスが展開していく。遺産相続やアナフィラキシーショック、「和菓子のももやま」の新商品にまつわる親族の思惑など、ドラマに登場する様々な伏線にも要注目だ。
ストーリーだけを書くとシリアスでダークな雰囲気を想像してしまいがちだが、そこはさすがに名優たちの共演。次々に明かされる陰湿な出来事を、緊張感を持って演じつつも、どこかコミカルで憎めない、人情味の溢れる演技を見せてくれる。コメデイ風味の味付けも忘れないところが『ミタゾノ』のいいところ。“上質のサスペンス”に“上質の演技”が本作の見どころ。
黒木は最終話のヒロインにぴったりのオーラを纏っていて、強い存在感でドラマを引っ張っている。美しく、可憐な風貌とは裏腹に、時に計算高く、時に脆く、時に悲しげな女性像を魅力たっぷりに演じる。さらに、事件の合間合間に三田園の発するキレのある推理からも目が離せない。
いよいよ最終話となった『家政夫のミタゾノ』。最後には続編を匂わせるような三田園の台詞も登場。ぜひ最後の最後まで目を離さずドラマを見ていただきたい。ゴールデンタイム進出となった第6シリーズは、それにふさわしい“ゴールデン”な内容になっている。
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