輸出は拡大 世界を狙うWAGYU サステナブル和牛も<WBS>

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宮崎県のブランド和牛のシャトーブリアンを使ったカツレツサンドイッチ。価格は4万円。

去年、初めて年間1兆円を超えた日本の農林水産物・食品の輸出額ですが、その輸出品の代表格が和牛です。国を挙げての輸出拡大を図るなか、環境に配慮したサステナブル和牛も登場するなど新たな取り組みが始まっています。

実業家の堀江貴文さんが26日、登場したのは、自らプロデュースする会員制の和牛専門店「WAGYUMAFIA」の戦略発表会です。

「和牛は日本の風土が作り上げた奇跡の牛である。ポテンシャルとしてはフランス・ブルゴーニュのグランクリュ、プレミエクリュなどワインの頂点のようなブランディングが、和牛はできる。われわれはそこを狙っている」(堀江さん)

今年3月にはサウジアラビア、夏にはヨーロッパなど、2025年までに10都市で30店舗を目指すと発表しました。なぜ今、海外進出を加速させるのでしょうか?

「それはダンピングです。長引くデフレで和牛のステーキ丼が1000円台で食べられるのが異常。日本の3店舗の売り上げを海外では1店舗で上げる。客単価が全然違う」「海外展開が軸というよりも基本。海外マーケットは何百億という規模になってくる」(堀江さん)

「WAGYUMAFIA」のターゲットは海外の富裕層です。実際、サウジアラビアの店舗で提供されるメニューを見せてもらうと、宮崎県のブランド和牛のシャトーブリアンを使ったカツレツサンドイッチ。秘伝のソースが染み込んだひと品で、値段は4万円。「売れる時には1日100セット」(WAGYUMAFIAの浜田寿人代表取締役)という。

他にも、炭火で焼いたステーキに金箔をまぶしたメニューも用意。価格は日本のおよそ1.5倍で提供する予定です。

「海外マーケットでWAGYUMAFIAの価値を上げていく。そういうビジネスになってくる」(浜田代表取締役)

「サステナブル和牛」

海外での和牛の存在感は高まっていて、去年1〜11月までの輸出額は前の年より9割近く増加。アジアの富裕層を中心に需要が高まったのが大きな要因ですが、今後さらなる輸出拡大のためには、アジア以外の地域への展開が鍵となります。

和牛の輸出拡大に向けた新たな取り組みも始まっています。島根・雲南市にある熟豊ファームが手がけているのは「サステナブル和牛」です。

この牛は子供を産んだメス牛で、一般的には経産牛と呼ばれます。経産牛は肉質が劣るとされ、通常、ひき肉や加工用の肉として安値で取引されています。熟豊ファームでは、この経産牛の価値を最大限に高めるため、独自の方法で半年間ほど飼育し、肉質を向上させ、出荷しています。

牛のゲップは、二酸化炭素の25倍の温室効果があるといわれるメタンガスを多く含みますが、メタンガスを削減する効果があるとされる亜麻仁油のカスを餌に混ぜ、環境に優しいサステナブル和牛として育てています。

このサステナブル和牛、味はどうなのでしょうか。

東京・港区にある「西麻布 おにく 玲」の斎藤玲店主によれば、サステナブル和牛は他のブランド和牛と比べて脂は少ないものの、赤身のうま味が強いといいます。

「長い間、肉の仕事をしているが、感動したというか、うま味が強い肉だと感じた」(斎藤店主)

サステナブル和牛の価格は、一般的な和牛よりも3〜4割安いといいます。出荷元の熟豊ファームでは、食肉卸の銀閣寺大西と組んで、欧州などへの輸出を進めています。

去年10月にはスイスで試食イベントを開催。現地のバイヤーに好評だったこともあり、今年はヨーロッパへの輸出を強化していく計画です。

「海外の方はSDGsという観点に付加価値を見いだしている。スイスで認められたことで販路が広がっていくのでは」(熟豊ファームの石飛修平社長)

※ワールドビジネスサテライト
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