スマホと無料Wi-Fiがつなぐ生活困窮者の命と、現代の貧困の裏側
「無料Wi-Fi使えます」「スマホ充電できます」
都内の公園、生活困窮者のための炊き出し会場に掲げられた看板。そこに、スマホを手にした若者たちが続々と集まってくる。彼らは職や家を失ったホームレスで、その命をつなぐツールがスマートフォン。
佐々木大志郎さん(42)は、都内で貧困に苦しむ若者や生活困窮者の支援を続ける団体のメンバーだ。彼のもとには、毎日のように困窮した若者たちからSOSが舞い込む。仕事を失い離婚、幼い一人娘に会いたい思いを抱えながら、行き場を失い苦悩する30代の男性。順風満帆だった生活からコロナ禍で解雇され、ホームレスとなった元イタリアンの料理人。家族との断絶に悩みながら、貧困から抜け出そうともがくトランスジェンダーの男性…。
<芳根京子 インタビュー>
こういった現実があるというのは、ニュースで聞いたことがある程度でしたので、今回、知ることができてよかったです。
無料Wi-Fiも、街を歩いていると知らぬ間につながっていることがあるもの、という感覚で、接続に回数制限があることも、そこを頼りにして生活している人がいるというのも、初めて知りました。
でも、大変な中でも、希望を感じながら生きている方々から、勇気をいただきましたし、頑張らなきゃいけないな、とも思いました。
――勇気づけられたのは、どんなところですか?
終盤で、(トランスジェンダーの男性)佐藤さんがおっしゃっていた「あきらめなければ、どうにかなる」という言葉です。「まさにそうだな」と感じましたし、あきらめずに希望を持ち続ければ、扉をこじ開けることもできるんじゃないか、と。私自身、そう思いながらやってきた部分がありますが、佐藤さんの言葉は、説得力が違うな、と思いました。
――生活に困窮した人たちを支援する佐々木さんの活動について、どう感じましたか?
純粋にすごいな、って思いました。空振りすることがあっても、動き続ける。佐々木さんの一番の原動力は何だろう、と思いました。
――ホームレスとなった方々は、家族への思いを口にすることも多かったですね。
私自身、家族がいるから頑張れますし、家族のためといったら大げさですけど、家族が楽しんで作品を見てくれるからやりがいも感じられる。ついこの間まで学生で、家族がいないと何もできない状態だったので、今、仕事をさせてもらい、少しずつ自立できていることに安心している家族を見ると、自分も安心します。家族の支えがなければ、できなかっただろうな、と思います。
以前、このインタビューでも話したことがある友人に、今日も収録に行くことを伝えたら、「レギュラーなの?」って言われたんです。
この番組は、普通に人生を送っていたら見られない景色をたくさん見せてもらえますし、人間としての質をいつもあげてもらっているなと思います。毎回、イントネーションも勉強させていただいていますし。最近、やっと落ち着いて担当できるようになってきましたので、レギュラーになれるように頑張りたいです(笑)。
<ナレーションの一部をご紹介>
関連リンク
酒井美紀「馬も子どもたちも、こんなに愛情いっぱいで育てられて幸せだな」北海道の牧場一家の12年に感動
満島ひかり 立川談志がカメラにさらした素顔に「めちゃくちゃやってるのに、すごく愛されていて『最高じゃないか!』」
天才落語家・立川談志の最後の12年…本人と息子が撮り続けた1000時間の未公開映像
ムロツヨシが宮野真守に懇願「『抱っこされたい』って言って」
芳根京子 ムロツヨシの収録スピードを超え「ムロさんが消えた!」