【ネタバレ】『着飾る恋には理由があって』横浜流星も向井理も素敵だから、一妻多夫制でお願いしたい

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世の中には、こんな法則があります。

「この日は絶対に空けておいてね」と約束したら、当日確実にトラブルが起きて相手役の男の子は来られなくなる。

『あすなろ白書』(フジテレビ系)でもなるみ(石田ひかり)はクリスマスツリーの下で待ちぼうけになるし、『天使なんかじゃない』(集英社)でも北海道旅行の日に晃はヒロコのお見合いを止めるために翠を置いて駆け去ってしまうのです。

そして、そんなときに現れるのが二番手男子。なるみは取手くん(木村拓哉)と一夜を共にしちゃうし、翠はケンちゃんを頼ってしまう。だからね、香子さん(夏川結衣)がレストランを予約してくれたとき、一瞬で思いましたとも。

これは社長(向井理)と行くと・・・!

ゴングが鳴るようで鳴らなかった『着飾る恋には理由があって』(TBS系/毎週火曜22:00より放送)の恋のタイトルマッチ。第8話にして、ついに本格スタート。そして、それは腕に覚えのある猛者たちによる、最高に楽しい1時間でした。

くるみのために全力疾走する向井理が可愛すぎた

第5話くらいまで犬のこうじよりも出演シーンが短いと噂だった社長こと葉山さん。6話で帰国してからも、その人のよさから絡んできそうでなかなか絡んでこなかったけど、ここに来てついにグイグイ攻めてきた。しかも、大人の包容力という最大の武器を火力全開にして。

「もし負けたら、負けた方が秘密を打ち明けるっていうのは?」

2人きりのババ抜き。残り2枚になったカード。どちらがジョーカーか。そんな中で葉山が仕掛けた大勝負。もしあのときババを引いていたら、葉山はなんて言うつもりだったのだろうか。

「本当に引くよ?」の声がいつもよりちょっと低くて、男の声をしている。人の気持ちを慮れる葉山のことだ。あんなイタズラ半分の賭けでもしなければ、すでに相手のいるくるみ(川口春奈)に気持ちなんて言えはしなかっただろう。そして、良識的な葉山だからこそ、もしあそこで駿(横浜流星)が帰ってこなければ、指をかけた方がジョーカーだということはわかった上で、もう1枚の方を選び直していた気がする。そういう不器用な役回りなんだと思う、葉山さんは。

とりあえずくるみがババを引いて大笑いする葉山の屈託のなさが良すぎて、なぜ我が家のリビングに向井理がテント張って寝てないのか、運命を呪わしく思いました。

もはや葉山は誰もが認める向井理のハマり役だけど、カッコいいだけじゃなく、若い頃よりずっと深みを増したその演技も味わえる回だったと思う。久しぶりに再会した社員たちの前で近況を報告し、「いつかみなさんと」と言ったあと、目の前に並ぶ社員たちの顔を見て、言葉につまる。こみ上げる想いを何度も息を吐いて整理しようとする。その表情が、すごく生っぽくて。一人一人の社員に愛情をかけて向き合ってきたんだなということが何も説明しなくても伝わってきた。

完璧なまでの知性と清潔感を備えながら、どこか無防備。そんな向井理と葉山祥吾の魅力が重なり合った、胸掴まれるシーンだった。

そして、クライマックスの全力疾走。いつもの葉山なら、あんなことはしなかった。恋人のいる相手に割り込んで、デートの約束を横取りするような真似、思慮深い葉山なら絶対にしなかった。

でも、時に、良識とか、周りの目とか、そういうことは全部投げ打って、ワガママになるときがある。自分勝手になるときがある。それが、恋。香子との電話を切ったあと、自然と足取りが速くなる。気持ちが止められなくなる。あのとき、初めて葉山の恋は走り出した。その瞬間の向井理のはちきれそうな顔。

まるで終業式を終えたばかりの小学生みたいだ。これから始まる夏休みが待ちきれないように、子どもだった僕たちはあんな顔をして学校を飛び出していた。やっぱり向井理はすごく少年性の似合う俳優だ。そのピュアさに物語上は恋敵だとわかっていても、「頑張れ!」と応援したくなる。「走れ!」とエールを送りたくなる。

まったく憎むことのできない、むしろどんどん愛着の増す二番手男子を、向井理はこの第8話で完璧に体現した。

デコ出し横浜流星の破壊力に、表参道が焼け野原になった

そして、横浜流星もこれまでとはまったく違う魅力で迎え撃った。自分の殻を破るために、『オルテンシア』の臨時シェフに名乗りをあげる駿。葉菜(山本千尋)の父(近江谷太朗)から出された課題は、25品のアラカルトメニューを1週間で覚えて、試食をパスすること。駿はテストをクリアするために、『オルテンシア』に泊まり込んで、腕を磨く。

そこでの駿は今までの駿とはまったく違って見えた。おろしていた前髪をハードに固めて。早乙女家のキッチンに立っているときは鼻歌でも歌いだしそうな様子だったけど、店の厨房にいる駿は真剣で。お店にやってきたくるみが立ち入れないものを感じたのも頷けるくらい、近寄りがたい気迫があった。

でもきっと本来の駿はこちら側なんだろう。「頑張らなくてもいい」という着飾りをやめた駿はくるみ以上に頑張る人間なのだ。時には、目の前のもの以外すべて目に入らなくなってしまうくらいに。

額を出した横浜流星はカッコいいというより美しいという言葉がぴったりで。たぶんそれは彼の凛々しい眉と長い睫毛が、額を出すことでより強調されるからだろう。デコ出し横浜流星の破壊力がすごすぎて、表参道が焼け野原になってる。

それにしても難しい。駿は決してくるみをないがしろにしたわけじゃない。実際、荷物を取りに一瞬だけ帰ってきたときもデートをすごく楽しみにしていたし、くるみをいとおしそうに抱きしめた。あんな柔らかい顔、くるみに出会うまでの駿からは考えられなかったはずだ。

嫉妬もするし、そのくせ本心ではない言動ばかりとって、なかなか素直になれない駿だったけど、ようやく本当の気持ちを駆け引きなく見せられるようになった。その証拠が、くるみの言った「藤野さんはどうしたいの?」だ。思い返せば「どうしたいの?」と聞くのは、いつも駿の役目だったと思う。くるみが何かに迷うたびに、「どうしたいの?」と言って、彼女の背中を押してきた。

それを今度はくるみから投げかけた。そして、それを駿も受け入れられるようになった。カッコつけず、着飾らず、2人はそういう関係をしっかり築けているはずだった。

すれ違いが、ラブコメを面白くさせるのです!

だけど、ほんの少しタイミングがズレてしまうだけで、すれ違ってしまう。デートの日に入ったランチの予約。くるみの「そんな無理しなくても」という声を聞かず、駿は自分が行くと言い切った。無理をしないが信条の駿が無理をした。もしそこで無理をしなければ、くるみは七海(山本美月)あたりを誘っていたかもしれない。そしたら、こんなすれ違いなんて、そもそも起きなかったのかもしれない。

だけど、駿は無理をしたかった。それは、その直前に見た、葉山からもらった豆柴のキーホルダーのせいかもしれない。葉山より、自分がそばにいたい。そんな一途な恋心の表れだ。

でもそれが裏目に出た。駿は約束の時間に間に合わず、代わりに現れたのは葉山。毎回、星野源の『不思議』タイムはいいけど、特に今回は最高だった。耳元で口ずさむような星野源の力みのない歌声に乗せて、駿が走る。葉山が走る。表参道の交差点で待つくるみ。どちらが先に到着するのか。

駿が初めて「くるみ」と名を呼んだ瞬間、2人の間を遮るようにトラックが横切る。そして、トラックが通過したとき、そこにいるのはくるみと葉山。スローモーションの使い方も、再開する星野源のタイミングも完璧。これはもう完全に月9で100回見てきたやつ! ラブコメには欠かせないすれ違いのすべてがこのエンディングに凝縮されていて、新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督という猛者に、川口春奈、横浜流星、向井理という猛者が掛け合わさって生まれたThis is ラブコメ!! だからラブコメが好きなんだ〜〜!!!と、これが甲子園球場なら盛大にジェット風船を飛ばすところだった。

別にデートに1回行ったくらいで関係が急変するわけじゃない。自転車の2人乗りをしたときも、葉山が自分の腰に腕を巻きつかせたのに、くるみはそっとそれを外して、遠慮がちにシャツの裾を握りしめていた。決してくるみは流されるタイプの女性ではないと思う。

だけど、2人が消えていくのを見た駿の気持ちはどうだろう。きっといつものように何もなかったように振る舞うと思う。でも、そうやって積もった不安と猜疑心はいつか不信となって溢れ出す。

葉山がフラれて傷つくところは見たくないけれど、くるみと駿には幸せになってほしい。どうやらそんな複雑なシーソーゲームに最後まで心揺らされることになりそうだ。とりあえず横浜流星も向井理も素敵すぎるので、「日本よ、一妻多夫制を認めてください!」

今作の教訓:ミニマリストであってもケータイは持とう。

(文・横川良明/イラスト・まつもとりえこ)

【第9話(6月15日[月]放送)あらすじ】
真柴(川口春奈)と駿(横浜流星)二人で出掛けるはずだったレストランデートだったが、駿は仕事で時間に間に合わず、真柴は祥吾(向井理)とレストランへ行くことに。一方の駿は、真柴を追いかけたものの、真柴と祥吾の二人を見て、なぜか追いかけられず途方に暮れていた。

そんな中、真柴は自分が投稿したバックのデザイナーに、盗作の疑いがある事件が発生。盗作に加担したなどと、心ないコメントが増えはじめ、インフルエンサーとしての活動が脅かされる。

さらに、駿のもとに北海道で店を任せたいというスポンサーが現れ駿の心は揺れ動く。

真柴と駿、挫折を味わいながらも、諦めきれないそれぞれの夢に向かうのだが

◆放送情報
『着飾る恋には理由があって』
毎週火曜日22:00よりTBS系にて放送中
地上波放送終了後、動画配信サービス『Paravi』にて配信。
Paraviオリジナルストーリー『着飾らない恋には理由があって』も独占配信中。

(C)TBS

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