【ネタバレ】『共演NG』ショーランナー市原がドラマのすべてを独白

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秋元康×中井貴一&鈴木京香×大根仁によるドラマ『共演NG』の特別編が、12月17日に放送された。

元恋人同士の実力派大物俳優・遠山英二(中井)と人気女優・大園瞳(鈴木)が25年ぶりの共演でW主演を務めるテレビ東洋のドラマ『殺したいほど愛してる』(通称『コロ愛』)。本編は無事終了したが、特別編ではいったい何が描かれるのか。このドラマのことだから、と視聴前からただならぬ予感がしてならなかった。

そう思っていたら、特別編の主役は、ショーランナーの市原龍(斎藤工)だった。
冒頭では本編ラストの「事件」が起こる手前の時間が描かれる。最終回放送の数日前、何者かから『共演NG』にかかわる新たな不倫写真を受け取ったプロデューサーの是枝(迫田孝也)とドラマ部長の戸沢(岩谷健司)はハラハラしていたが、その後何の報道もないため、市原がもみ消してくれたのだろうと考えていた。この後の顛末は、逆に本編ラストで視聴者たちは知っているだけに、2人の呑気ぶり、危機管理能力の低さに見ていられない気分になる。

そんな中、記者・中川(橋本じゅん)から、市原への独占インタビューの依頼がくる。インタビューは最終回の放送開始直前。ここで記者が視聴者目線の質問を市原に次々とぶつけていく。
例えば、なぜ業界でも有名な共演NGの2人をキャスティングしたのか。なぜドラマの制作発表会見の場で25年前の大園の破局会見での「セーラー服と機関銃」動画を流したのか。また、なぜメインキャスト全てが共演NGだったのか。

中川の質問はとどまるところを知らない。なぜ絶妙なタイミングで不倫スキャンダルが発覚したのか。大物俳優・出島が病魔に侵されていることを知っていたのではないか。主治医役に大園の元カレである有名医師をキャスティングしたのは、世間の注目を集めるためでは?

そして、質問はだんだんと核心に迫っていく。最終回のあの雨のラストシーンは、演技には到底思えなかった。あれは2人の25年前の別れのシーンそのものでは? このドラマで2人の関係を復活させ、それをも話題にしたかったのでは?などなど・・・。

全てが市原の手のひらの上で転がされているように見えていただけに、ここで記者が視聴者を代弁して質問してくれるのはありがたいし、そこで真意が語られることと同時に、各話の見どころを振り返る「総集編」になっているのも、粋な構成だ。

とはいえ、やっぱり市原の言葉は、どこまでいっても真実が見えない。だがそんな中でも、市原が語った「日本のドラマを変えたかった」という言葉をはじめ、脚本もキャスティングも、あらゆる忖度を取り除いてドラマを作りたかった、テレビ東洋を選んだのは、数あるテレビ局の中で最も愛のあるテレビ局だから、という理由は熱い本音に思えて、視聴者の胸を打つ。

しかし、感動で終わらないのが、やっぱり『共演NG』だ。ここから最後に、本編のラストで報じられていた不倫写真の顛末である「殺傷事件」と、そこから慌てふためくスタッフたちの姿が描かれて、ドラマは終了。

最後の最後まで話題性に事欠かなかった『共演NG』。本当に前代未聞のすごいドラマだった。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

◆放送情報
『共演NG』
動画配信サービス「Paravi」にて全話配信中。

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