歌舞伎町かかえる新宿区長 感染者が増えても店名公表を控える理由

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新型コロナウイルスの感染拡大、外出自粛による経済へのダメージ...。未曾有の事態に日本国内だけでなく世界中が不安に包まれる中、『ワールドビジネスサテライト』では各界の著名人たちによるリレーメッセージコーナー「コロナに思う」がスタート。今月には『コロナに思う 34人のリレーメッセージ』(日経ビジネス人文庫)として書籍化もされた。

7月14日の放送では、東京新宿区の吉住健一区長が出演した。日本一の歓楽街とも言われるおひざ元の歌舞伎町で新型コロナウイルスの感染者が増えるなか、商業活動と感染防止の両立を図るため飲食店の関係者と勉強会を続けている吉住区長が語る、街の再生に必要なものとはーー。
新宿区長の吉住健一です。私はこの新宿で生まれ育った人間で、区役所のある歌舞伎町も学区域でした。ですから子供の頃、昼間遊んでいたこの街の中で未知のウイルスが感染拡大していることに大変驚きを感じています。

この感染症が広がり始めてから、感染がどのように広がっているのかを調べるのに大変苦労しました。なかなか職業を明かしてくれない人や、どこの店で働いているかを教えてもらえなかったからです。そこで(ホストクラブの)経営者の方に電話をして、なぜ自分の仕事を明かせないのか、どこの店で働いているかを言えないのか、その事情を聞いてみました。

そして、店が営業できなくなる。若い時から下積みをして店を持ち、グループを形成してきた人たちが、もしかしたらこの感染症のせいで、感染したことが分かってしまうと店を廃業しなくてはいけないと追い詰められた気持ちになっていることが分かりました。そこで疫学調査に協力してもらう代わりに店名の公表は控えていく。プライバシーは守る。その約束をしてきました。そうして少しずつ理解してくれる店舗が増えて、今は非常に多くの店の協力をいただいています。

一つ一つの検査は感染者をなくすということにはなりませんが、感染を広げないということには大変大きな力を発揮してくれています。街の中の連帯を広げていかなくてはならないと考えています。

そのために新宿のこの街を構成する、さまざまな業態の飲食店の皆さんに集まっていただいて、「新宿区繁華街新型コロナ対策連絡会」というものを作らせていただきました。それぞれの業界の意見をいただきながら、どうやったらこの街が再び明るく楽しい街に再生できるのか。そういうことを話し合い、情報共有を行っています。

新宿の街は戦災で焼け野原になった後、今のような賑やかな街に復興してきました。今回も大変厳しい波が襲ってきていますが、この街を愛する皆さんと一緒に新宿の街、歓楽街をまた賑やかな街に戻していきたいと思っています。
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テレビ東京ビジネスオンデマンドでは過去の「コロナに思う」の動画を配信しています。

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