「アンテナが立てられない...」特命チーム「SWAT」始動
4月8日、「楽天」が第4の携帯電話事業者として、サービスを本格的に開始した。大手3社の半額以下という料金プランを売りに挑むが、ここまでの道のりは苦難の連続。基地局の設置が計画通りに進まず、総務省から3回の行政指導を受けた。そして当初予定していた昨年10月の本格サービス開始を延期する事態に。
楽天・三木谷浩史社長が携帯参入にこだわるのにはある理由があった。楽天は1997年に立ち上げた「楽天市場」を皮切りに、証券会社や旅行サイトなどを矢継ぎ早に買収することでグループを拡大、約70のサービスを展開する。ポイントを紐付けることで利用者を回遊させる「楽天経済圏」が誘引となり、会員数は延べ1億人以上に。携帯電話事業に参入することで、さらなる利用者の囲い込みを狙う。
2014年に参入した「格安スマホ」では、大手の回線を借りるため通信量に制約がかかり、サービスが限定的に。当初1000万件が目標だった契約数が、230 万件に留まった苦い経験を持つ。
2018年4月、楽天は悲願だった自前の通信網による携帯事業への参入が認められ、晴れて携帯電話事業者に。2019年2月には独自に作った基地局での電波試験も開始。楽天が開発したアンテナは、大手に比べ半分ほどの工期で設置できるという。これをいかにして日本中に設置し、基地局のネットワークを張り巡らせるかが課題だ。
そこで楽天はグループの繋がりをフル活用する。「楽天市場」の担当者がなじみの店に声をかけ、「楽天トラベル」の人脈でホテルと交渉するなど、基地局を設置させてくれる取引先がないか営業する。国との約束で2019年度末までに、東京・大阪・名古屋を中心に3432本のアンテナを設置せねばならず、急ピッチで作業が進められた。
最も苦戦したのは東京・丸の内周辺。アンテナ設置に適した100m以下の場所が限られる上、低層の建物はすでに大手に抑えられ、アンテナを立てる場所が見つからない。そこで選りすぐりの社員と専門家を集めた特命チームを結成して、この難局にあたることに。難攻不落の丸の内をどう攻略するのか...。
待ち時間ゼロ？ 楽天携帯ショップの革命
楽天のもうひとつの挑戦が"待たせない店舗"の実現。携帯ショップでの手続きは、煩雑な上に時間がかかる。待ち時間を短縮し、客のストレスを軽減することで、大手3社から客を奪う狙いだ。
難題を任された井上裕介さん(31歳)は、豊富な国際経験を買われ楽天に入社。「格安スマホ」の立ち上げに参加して以来、携帯一筋でここまできた。井上さんは、店に置かれた端末とモニターを連動させ、必要な情報をモニターに表示させることで、契約時の面倒な手続きを短縮させるアイデアを実現させようとしていた。例えば、手元の端末で「プラン」を押すと料金が表示されたりするので、店員がいなくても欲しい情報が分かる。
だが、時短の検証が繰り返される中、渾身の店作りに待ったがかかる。画期的な新店舗は実現するのか。
番組では、三木谷社長のインタビューも放送。三木谷社長が語った「楽天の野望」とは？
試行錯誤を繰り返し、新事業に挑む「楽天」のいまを追った「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく！
過去の放送が見たい方は、ビジネスオンデマンドへ！
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