誰にとっても身近な現象でありながら、ふとした瞬間に、「そういえばアレ、正式にはなんていうのだろう?」と疑問に思ったことはないだろうか。ここではそんな日常で起きる現象の正式名称を追ってみた。
足裏マッサージの「ブチブチ」の正式名称は?
たくさん歩いて疲れたときや、むくんでダルさを感じるとき、足裏マッサージはまさしく至福のひとときだ。
苦手な人もいるだろうが、足つぼを強めにぐりぐり押してもらった際、ブチブチと音がするのを感じると、いかにもそこに溜まっていた悪いものが追い出されていく気がして、得も言えぬ快感を覚えるものだ。
その、足裏のブチブチにも実はちゃんと名前がある。正式名称は「クリスタル・デポジット」。予想外にカッコいい名前が付けられていて驚くが、正体は尿酸などの老廃物だ。クリスタルとは結晶、デポジットは沈殿物を意味し、老廃物が結晶のように一箇所に凝り固まった状態を表しているわけだ。
睡眠中に訪れる突然の「ビクッ」
ベッドの中でうとうとと微睡んでいたら、前触れもなく突然、ビクッと体が痙攣することが、きっと誰しもあるだろう。この「ビクッ」にもやはり名前がある。
これは正式名称を「ジャーキング」といい、無意識に起こる筋肉の不随意運動を意味している。要は筋肉の痙攣で、主に入眠時に発生する現象らしい。
ご存知のように睡眠はノンレム睡眠からスタートし、眠りが深くなるとレム睡眠へと移行する。ジャーキングはこうしたリズムが整う前の、脳の働きが不安定なときに、間違った指令が発せられて筋肉が動いてしまう現象なのだ。
冷たいものを食べてキーン! まだまだある、身近な現象の意外な名前
夏場にかき氷やアイスクリームを一気食いしたとき、頭がキーンと痛むあの現象にも名前がある。これはそのままずばり、「アイスクリーム頭痛」と呼ばれ、れっきとした医学用語なのだとか。
目をギュッと強くとじたあと、一気に開けるとチカチカと星が瞬いて見えることがある。こちらは「眼中閃光(または眼内閃光)」という名前がある。眼球が圧迫され、網膜を刺激することで発生する視覚現象の1つだ。
何か重い物を持ち上げるときなど、人は息を止めて力を込める。これは理にかなっているようで、筋肉の緊張を呼び込み、平常時よりも強い力を発揮することができるという。これを「バルサルバ効果」と呼ぶ。
ドラマや映画の中で、優れた芸術作品などに遭遇した人が、興奮のあまり動悸が高まり目眩を起こすシーンをよく見かける。こちらは「スタンダール症候群」と名付けられる現象だ。由来はフランスの作家スタンダールが、1817年にフィレンツェを訪れた際にこの現象に見舞われたことから。
ちょっと変わったところでは、書店に行くと便意を催すあの現象には、「青木まりこ現象」という名前がある。青木まりこさんは実在の人物で、1985年に『本の雑誌』の読者欄にこの現象を体験談として投稿した人物のことなんだそう(当時29歳、杉並在住だったらしい)。
――と、このように意外な名称を持つ現象は枚挙に暇がない。どれも身近であるからこそ、予想の斜め上を行くネーミングに驚かされるものばかり。押さえておけば、話の種になるかもしれない。皆さんもぜひ探してみてほしい。
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