【ネタバレ】『TOKYO MER-』”生”を諦めない!鈴木亮平らが描く新たなヒーロー

取得元:https://dogatch.jp/news/tbs/plusparavi_99729/detail/

「待ってるだけじゃ救えない命がある」

日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)では、救命医療のプロフェッショナル集団MER(Mobile Emergency Room)の息つく間もない壮大な救出劇が描かれる。

東京都知事・赤塚梓(石田ゆり子)の特命で設置された彼らのミッションは「駆け付けた現場で死者を1人も出さないこと」だが、そのチーフドクターに任命された主人公・喜多見幸太(鈴木亮平)のヒーローぶりが気持ち良い。

とにかく彼の行動には迷いがなく、「人の生、命」への尊重が凄まじい。レスキュー隊よりも先に事故現場に自ら身を投じ、負傷者たちに向かって言うのだ。「医師の喜多見です、もう大丈夫ですよ」と。一人ひとりの容体を瞬時に確認しながら喫緊の応急処置の必要がない人にも「後で必ず戻ってきますから」と声を掛ける。決してどの命もおざなりにせず、誰の命も平等に扱う。当初、交通事故の原因にもなった居眠り運転の容疑をかけられたトラック運転手についても、車体からの救出作業と同時並行でオペに取り掛かる。

どんな場においても彼の第一優先事項は「目の前の命を救うこと」であり「人の生きようとする力を絶やさないこと」。さらにはその先にある「目の前の"命"に連なる大切な人の"生"」にまで常に想いを馳せている。

この彼のある意味異様なまでの「生」への執着を形作った原体験は、どうやら幼少期にアメリカで遭遇した銃乱射事件で両親を奪われたことにあるようだ。しかも母親は事件当初まだ息があったが、すぐには搬送されず彼の前で息絶えた。「助けてください。お医者さんはいませんか?」と一人叫ぶしかなかった幼き日の彼はどれほど心細く、また自分が必死に発する声が誰にも届かない、もう"間に合わない"のを悟ったときどれだけ世界に絶望しただろう。あの瞬間どれだけの理不尽、無力感に打ちのめされただろう。

"あの時何もできなかった自分""救えなかった母親の命"への報いと、そして"あの時救いの手を差し伸べてくれなかった周囲"に決別するかのごとく、彼は何があっても決して諦めることはしないのだ。何としてでも間に合わせたいのだ。

ガス爆発した工場に取り残されたレスキュー隊員の「自分のことはいいからもう逃げてくれ」と言う言葉にも聞く耳を持たず「ご家族は? 結婚されてるんですよね? 奥さん待ってますよ。お子さんは? 会いたいでしょう? 会えますよ、絶対に!」と励まし続ける。彼に決して「自分だけの命」だなんて錯覚させまいと。彼の後ろに、彼の帰りを待つ妻と子どもを、そしてさらにはあの時幼い妹とたった2人置いてけぼりにされた自分自身を見ているかのようだ。だから彼は、患者が搬送されてくるのを待つのではなく、助けを求めている人のところに自ら向かうのだ。誰も置いてけぼりにしてしまわないように。誰にも一人で静かに絶望して欲しくないから。

彼は「人の生きようとする力」を何より信じている。思えば鈴木亮平は、人の善意を一点の曇りもなく強く信じ続ける役柄が本当によく似合う。混迷極める中にあっても、その中で明るく周囲を照らす道標のような存在感だ。

大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)での主人公・西郷隆盛はもちろん、『テセウスの船』(TBS系)での警官・佐野文吾役、映画『俺物語!!』でのピュアで猪突猛進な剛田猛男役など、利他的で使命感の強い真っ直ぐな役どころが見事マッチする。

対称的に描かれる医系技官でスパイ的存在でもある音羽尚(賀来賢人)も、喜多見のあまりに自身の危険を顧みない愚直さに苛立ちが見え、お得意の冷静沈着なポーカーフェイスを保つのが早くも難しそうだ。「綺麗事ばかり言わないで下さい。理想論ばかり追い求めるのではなく諦めることも必要なんじゃないですか」と珍しく声を荒げる音羽もきっと様々な理不尽をひっそり引き受けてきたのかもしれない。音羽の人間味が喜多見によって否応なしに引き出された瞬間だった。今後、彼らが互いにどんな影響を及ぼし合い、呼応していくのかかなり見応えがありそうだ。

赤塚と、そしてどうやら喜多見と以前から知り合いの医師・高輪千晶(仲里依紗)が話していた彼の過去にまつわる"あの事件"の全容とともに注目したい。

(文:佳香(かこ)/イラスト:たけだあや)

【第2話(7月11日[日])あらすじ】

工事現場での鉄骨落下事故に出動したTOKYO MER。自身を危険にさらして現場でオペするチーフの喜多見幸太(鈴木亮平)に、研修医の弦巻比奈(中条あやみ)は反発するが、比奈の起こしたミスにより患者は命の危険に陥ってしまう。大きく自信を失った比奈に、夏祭りでの爆発事故の出動命令が下る。多数の重症患者を前に「医師の命を守る責任の重さ」に立ちすくんでしまう比奈。喜多見からたった一人での重大オペを任された比奈は、「命という試練」を乗り越えられるのか?

◆放送情報
日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』
毎週日曜21:00からTBS系で放送。
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi」で配信。
また、Paraviオリジナルストーリー「TOKYO MER~走らない緊急救命室~」が独占配信中!

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