2017年に『日本高校ダンス部選手権』で発表した自身がセンターを務める「バブリーダンス」が一世を風靡。同年に現事務所からスカウトされ、芸能活動を開始した伊原さん。翌年、ドラマ『チア☆ダン』（TBS）で女優デビューを果たし、その後も連続テレビ小説『ブギウギ』（NHK）、『マイ・セカンド・アオハル』（TBS）などの話題作に次々と出演し、注目を集めています。
そんな伊原さんが地上波連続ドラマ初主演を務める『肝臓を奪われた妻』は、LINEマンガで累計閲覧数1億3300万ビューを超えた韓国発の人気漫画が原作。物語は、主人公・北山優香（伊原）が理不尽に肝臓を奪われてしまうという衝撃的な展開から始まります。誰しもが応援したくなる痛快な復讐劇ですが、単なる復讐ドラマでは終わらないのがこの作品の見どころ。最愛の人から裏切られ、他人を信じられなくなった優香が、それでも支えてくれた温かい人たち、守るべき我が子のために、もう一度、愛を信じ、前を向いて歩いていく成長物語となっています。
最愛の夫から騙され裏切られ復讐の炎を燃やすシングルマザーという、これまでのイメージを覆す役を演じることになった伊原さん。どのような心境で役と向き合っているのでしょうか？
伊原六花「お芝居をつづけていきたい」と思ったきっかけの作品とは？
――優香が肝臓を奪われるという衝撃の展開からスタートする本作。原作、または脚本を読んでの印象は？
まず、タイトルを聞いた時の衝撃がすごかったです。まだ1ページも読んでいない状態なのに、“どんな話なんだろう!?”と先の展開にワクワクしました。第1話を読んだ段階では、愛していた人に騙されて肝臓を奪われたことへの復讐劇なんだろうなと思ったのですが、読み進めていくうちに「それだけではないな」と。小栗健（戸塚純貴）や田代春美（猫背椿）という心の支えになってくれる存在もいますし、優香がもう一度人を信じ、復讐に捕らわれず歩いていけるようになるまでの成長の過程が大事になってくると感じたので、そこを上手く表現できたら良いなと思いました。
――第一報では、優香について「チャレンジングな役になると思う」とコメントされていました。これまでの伊原さんのイメージを覆す役にもなると思いますが、演じることにプレッシャーは感じていますか？ それともワクワクしていますか？
ワクワクの方が大きいです。数年前、「演技が好きだな。お芝居のお仕事を続けていきたいな」と思うきっかけをくれた作品があって、それから自分にない引き出しを開けてくれたり、自分にないものをインプットしてくれたりする作品と出会えることを幸せに思います。なので、この作品のオファーを受けた時は、また今の私にはない表現が生まれるとワクワクしました。
――その作品とは？
安部公房の『友達』です。鈴木浩介さんや西尾まりさんなど錚々たる方々が出演されていて、さらに皆さんお芝居や演劇が大好きなんです。休憩時間に「この演出家が素晴らしい」「この戯曲が良い」などのお話をされていたのですが、私はそこに入れなくて……。話の内容がまったくわからなかったんです。それがすごく悔しくて、そこから会話の中にあった作品や演出家さんの作品を見るようになりました。そして、いろいろな作品に触れる中で「自分から出て来る表現は限られている」と思い、だからこそ、いろいろな作品をインプットして、たくさんの引き出しを増やしていくべきだと思いました。
――ちなみに、伊原さんが影響を受けた「テレビ番組」はありますか？
テレビ番組だと『吉本新喜劇』かもしれません。小さい頃は劇場まで観に行っていました。おそらくですが、私が最初に触れた舞台、お芝居は『吉本新喜劇』だと思います。自分もいつかコントをやってみたいと思っていたくらい大好きで、実は昨年、ザ・プラン9さんとコラボレーションさせていただいたんです。芸人さんってフィーリングでネタをやっていると思っていたら、すごくしっかりした台本があって驚きました！ 機会があれば、またコントもやってみたいです。
――最後に今後の見どころをお願いいたします！
一筋縄ではいかない中村家への復讐。やられて、やり返して、果たして優香が染まっていくのか……ぜひ見守ってほしいです。
取材・文・撮影：米田果織
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