大人気シットコム『フルハウス』と、Netflixで制作されたその続編『フラーハウス』。オリジナルでは3人の娘の父親であるダニー・タナー(ボブ・サゲット)が一家を支えるが、そもそもどうして母親のパメラがいないという設定になったのだろう。その理由を米Screenrantが伝えている。
登場するキャラクターたちの試練や苦難、また何かを成し遂げた時など人生の様々な瞬間を描いた『フルハウス』。家族の絆と、愛する人たちの助けを借りて日常生活を送ることがシリーズの原動力となっている。"フルハウス(満員)"という文字の通り、また比喩的な意味でも、この家族に一体感があることは確かだ。
本作では、ダニーと彼の3人の娘、D.J.(キャンディス・キャメロン)、ステファニー(ジョディ・スウィーティン)、ミシェル(アシュレイ&メアリー=ケイト・オルセン)を中心に、ダニーの親友ジョーイ・グラッドストーン(デイヴ・クーリエ)と娘たちの叔父ジェシー・カツォポリス(ジョン・ステイモス)らが主要キャラクターとして登場する。タナー家の娘たちには母親がいない一方で、父親のような人物が3人いるのだ。
ちなみに、パメラは飲酒運転の被害者となり亡くなったという設定。実はシーズン2で、クリスティ・ハウザー(『L.A.LAW/七人の弁護士』)演じるパメラが、古いホームビデオで一度だけ作中に登場もしている。
本作の前提は、パメラがいなくなった後に大家族がどのように機能するかという点にある。それと同時に、ダニー、ジェシー、ジョーイ、タナー家の娘たちによる大家族の関係は、母親の突然の死と、母親がいなくても同じレベルで育児の必要があったからこそ成立しているのだ。
また『フルハウス』が放送された当時、ファミリー・シチュエーション・コメディは決して目新しいものではなく、男女の夫婦が子どもを育てるという作品はすでにいくつも出てきていた。そこで本作では、3人の全く異なる男性(いずれも互いに血のつながりはない)が3人の女の子を育てるという独自の設定を中心に展開。お互いへの愛情を深めていくことで、キャラクター同士の絆が強くなっていくだけでなく、母親を亡くした子ども(DJ、ステファニー、ミシェル)、妻を亡くした夫(ダニー)、姉を無くした弟(ジェシーはパメラの弟)、そして友人を亡くした友(ジョーイ)が、"大事な存在をなくした"というトラウマ的なそれぞれの心の空虚をも埋めていくのだ。
さらに、パメラの死はこの作品にさらなるリアリティを与えている。ジョークと笑い、そしてかなり子ども向けの内容が満載とも思える中で、彼らは強い喪失感と苦痛を経験している。『フルハウス』タナー家の一員であったパメラの死は、生き残った人たちの人生に大きな穴を開けたが、それがなければこの作品は成り立たなかったのだ。(海外ドラマNAVI)
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