『私が女優になる日_』がいよいよメンタルを削る展開になってきました

取得元:https://dogatch.jp/news/tbs/plusparavi_100669/detail/

秋からのTBS新ドラマに出演できるのはランキング上位3名。女優デビューをかけた演技バトルも後半戦に差しかかってきた『私が女優になる日_』(TBS系/毎週土曜深夜0:58~放送)。挑戦者である10人の女の子たちはもちろんのこと、見守るこちらのメンタルもいい感じに苦しくなってきました・・・!

誰もが成功者にはなれない。それが、芸能界というもの。華やかなスポットライトの裏側で、夢破れて去っていった人たちがたくさんいることを、頭ではわかっているつもりです。けれど、ここ1ヶ月分の『私が女優になる日_』を観ていると、その現実をまざまざと見せつけられているようで、やめて私のヒットポイントはもうゼロよ!状態。

青木琴美とバカリズム。好対照の脚本に10人はどう挑むか

まず6回戦では少女漫画家・青木琴美脚本による胸キュン恋愛ストーリーを10人の女優の卵が演じました。

輝きを見せたのは、3票獲得で完全勝利を果たした高倉萌香。原作者である青木琴美に「少女漫画で瞳にハイライトを入れるみたいに、すごいキラキラ目が輝いて見えて」と言わしめた岡田里穗。同じく青木に「ハッとする表情がすごく印象的で。私も漫画だったら描きたかったと思うような表情がありました」と賞賛された高橋七海あたりでしょうか。





3人の共通点は少女漫画のヒロインらしい可愛さと、台詞以上に心情を語る目の力です。高倉は、頭ポンポンされた感触を反芻しているときの眼球の動きがリアル。好きな男の子の前では少しでも可愛らしくいたいという10代の女の子らしさが、ちょっとした仕草からもよく出ていました。

岡田は瞳の輝きはもちろんのこと、はにかむように頬を綻ばせるところが初々しさ満点。相手役の犬飼貴丈を上目遣いで見つめる目にも子犬感があって、同性が共感しやすいヒロイン像を構築できていたように思えます。





高橋は相手役の一ノ瀬颯に対して、怒ってちょっとむくれる顔がキュート。そこから下の名前を呼ばれて、はっと驚いたときの目の動きと、怒りながらもうれしそうに「バカ!」とじゃれつく様子にヒロインらしさを感じました。

ただ、この演技バトルの難しいところは、あらゆるジャンルに対応できる力がなければ勝ち残れないところ。たとえば、恋愛モノは得意ものでもコメディは苦手だとポイントを重ねていくことはできません。

それを実証するように、7回戦のバカリズム脚本では、順調にポイントを積み上げていた高倉と岡田の両名が共に0ポイントで完敗。2人とも合格圏である3位以内が射程距離に入っていただけに、この状況で1ポイントも入らないのは痛恨の極みと言えます。7回戦が終わった時点で、1位の飯沼愛は17ポイント、2位の武山瑠香は15ポイントと後続を引き離しており、ここから追い抜かすのはなかなかハード。残る1席である3位を誰が射止めるか、混戦模様となっているのが現状です。

悔し涙を流し続けてきた高橋がついに開花

そんな中、この1ヶ月で一気にジャンプアップしたのが高橋七海。バカリズム脚本でも満票獲得で大幅ランクアップ。6回戦開始時点では7位と下位に甘んじていたところを、7回戦を終えた段階で4位にまで順位を上げ、一気に3位争いの有力候補に躍り出ました。





もともと非常に感情豊かなところが持ち味の高橋。2回戦は無念の0ポイントで終わり、その場で感想を求められてもうまく言葉が出てこず、思わず涙を流してしまう場面も。3回戦でも台詞を飛ばしてしまって、舞台裏で悔し涙を流したり、4回戦でも武山を相手に0ポイントで終わるなど、努力と結果が比例しない状況が続いていました。

それがここに来ての急成長ぶり。転機となったのは、おそらく6回戦でしょう。1回戦は対戦相手の三浦涼菜が欠席のため、3ポイント獲得といえども直接対決の上での勝利とは呼べず、その後、5回戦に至るまで高橋は一度も勝利したことがありませんでした。それがついに6回戦で勝利をおさめ、飛躍。「最近の演技バトルで自信がなくなっていたのでうれしいです」と目を潤ませていたことからも、彼女がどれほど追い込まれていたか、その苦悩がうかがえます。

画面から伝わってくる焦りと悔しさにメンタルが刻まれます

こうして何かの弾みで花開く者もいれば、まだ蕾の季節が続く者もいます。特に3位以内という目標がはっきり見えた分、つい下位の女の子たちに肩入れしたくなるのが世の常人の常。他の候補者が3位以内という目標に闘志を燃やす中、「自分はちょっと選ばれないのかなという気持ちの方が強いです」と弱音を吐露する肱岡加那美には「自信を持って!」とエールを送ってあげたくなります。





また、親しみやすさと明るさが魅力の出口真帆も応援したいところ。特に7回戦の後に見せた涙が、敗れたことへの悔し涙ではなく、自分の演技を評価してもらえたことへの喜びと、2人の掛け合いで作品が面白くできたことへの充実感に対する嬉し涙だったというのは、出口の人柄がよく表れた場面。5回戦でも「負けちゃったけどバカリズムさんがポイントを入れてくれたので」と笑顔で振り返るなど、彼女のポジティブさは常に光っていたように思います。7回戦でも、出口の方がバカリズム脚本の妙を抑えていたように見え、僕が審査員なら出口に票を投じていました。まだまだいけるよ、出口!





こうして観ているこちらの思うような結果にならなくてモヤモヤしたり、順位にヤキモキするのも、『私が女優になる日_』の醍醐味。ゴールが見えてきた分、10人の表情にも焦りや切迫感が見え隠れするようになり、それが観る者の感情移入に拍車をかけます。特にポイントがとれなかった瞬間の表情のリアルさは結構辛い・・・! 見るからにショックを受けている顔にもメンタルが刻まれますが、敗北感を必死にこらえて一生懸命笑顔をつくろうとしているときの顔が健気すぎて、僕がオカンならごちそうつくって帰りを待ちたい! お正月じゃないけど、お年玉とかあげたい!!





一応、上位3名に加え、4位以下の中からも1名特別枠で選ばれるそうなので、下位の候補者にもまだまだチャンスはあります。そして、もしここで出演権を掴めなくても、いい子たちばっかりだから、誰かしら拾ってあげてほしい。どっかの事務所のエラい人、とりあえず『私が女優になる日_』を観てください。

(文・横川良明)

◆番組情報
TBSスター育成プロジェクト『私が女優になる日_』
毎週土曜日深夜0:58からTBSで放送。
動画配信サービス「Paravi」で初回放送分から見逃し配信中。
(C)TBS

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