【ネタバレ】『着飾る恋には理由があって』麒麟じゃなくて向井理が来た!!!

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麒麟がくる。じゃなくて、向井がくるーーー!!!!!

あの運転席からの乗り出しキスのときめきを一瞬で吹き飛ばしたラストシーン。こちとら、それなりにラブコメをたしなんできましたが、あんな朝チュンは初めて見ました。

普通、朝チュンというのはですね、抱き合ったカップルがそのままなだれこむように画面からフレームアウト。すると、そこで場面が変わり、窓から差し込む朝日とともにヒロインが目覚める。とかそういうやつじゃないですか。なのに、まさかの向井理。横浜流星の部屋ですやすやと眠る向井理。

予想の斜め上すぎて、大爆笑してしまいました。そりゃ星野源も歌い出すわ。

最後に超弩級の打ち上げ花火で終わった『着飾る恋には理由があって』(TBS系/毎週火曜22:00より放送)。第5話は、「好き」という気持ちを確かめ合ったあとのじれったさにムズムズするような回だった。

本当の「両想い」とはどういうことを言うのだろうか

考えてみると、「両想い」というのは不思議だ。お互いのことを想っているとわかっていても、その気持ちまで一致しているとは限らない。もしかしたらそれはただ「片想い」と「片想い」が2つ重なっただけなのかもしれない。気持ちの矢印が双方向に向き合っていることは確か。だけど、その矢印の太さとか、伸びるタイミングとか、あるいはこちら側に向いていたとしても角度が少しズレていたりして、矢印と矢印がぴたりと重なり合うことはない。

恋心の天秤はいつもアンバランスだ。天秤の皿はどちらか片方が少しだけ下がっていて、ぴたりと同じになることはない。そういう意味では、たとえ恋人になっても、夫婦になっても、人を想うということはずっと「片想い」の部分があるんじゃないだろうか。くるみ(川口春奈)と駿(横浜流星)を見ていて、そんなことを思った。

せっかく気持ちが通じ合ったのに、それまでとまったく変わらない態度の駿に、不安と不満を募らせるくるみ。しかも、陽ちゃん(丸山隆平)にくるみのことを「ただのお隣さん」と話しているのを聞いてしまい、これからの関係に自信をすっかり失ってしまう。

だけど、駿がくるみのことを「恋人」と言えないのは、まだくるみの心の中に葉山(向井理)がいるとわかっていたからだった。くるみはくるみで自信がない。駿は駿で自信がない。そんな2人は、「両想い」だけど「片想い」のまま。だから、恋はいつもちょっと苦い。

そんなもどかしい距離をぐっと引き寄せてくれたのが、ラストの駿からのキスだった。

「自分が、思うままに」

そうつぶやいてから、駿は手を伸ばした。あのひと言は、駿にとって壁を壊すおまじないだった。くるみが葉山のことを忘れられないのはわかっている。だから、くるみを自分のものになんてできないと思っていた。でも、そんな御託(ごたく)でガードするんじゃなくて、今、自分はどうしたいのか。無理をしていたのは、くるみじゃなくて、駿の方だ。

駿の長い指が、くるみの頬をそっと包み込む。狂おしげな眼差しを浮かべ、駿がかすかに首を傾ける。そして、そのまま窓から乗り出してくるみにキスをする。そのなめらかな顎のライン。駐車場のライト。小さく背伸びをするくるみ。すべての仕草がナチュラルで、美しくて、カメラロールにずっとずっと保存しておきたくなるようなキスシーンだった。

キスシーンは、キスをしているときより、終えたあとの方が色っぽい

だけど、このドラマがやっぱり素敵だなと思うのは、そうしたキスシーンの良さよりも、むしろそのあと。2人の唇が離れる。長い睫毛で覆われた駿の瞳が名残を惜しむようにそっと開く。くるみは何度もまばたきをして、ちょっと下唇を噛みながら駿を見上げる。その視線から逃れるようにかすかに目をそらしてから、駿がくるみを渓流釣りに誘う。そんなキスを終えたあとのぎこちない照れ臭さを、その空気感までしっかり伝わるように届けてくれるところが、このドラマの魅力だ。

キスって、キスをしている最中より、キスを終えたあとの空気感の方がずっと幸せで、色っぽい。それをつくり手たちはちゃんとわかっている。そして、演じる2人もそれを心得て、まるでサーモグラフィーでもかけたみたいに、わずかに上がった体温まで瞳の揺れや赤くなった耳たぶで表現してくれる。だから、自分がキスをしたみたいにドキドキする。甘酸っぱい恋の芳(かお)りが鼻先を駆け抜けるのだ。

川口春奈は、怒っている表情がとても可愛い。おかげでモヤモヤしたり、駿に腹を立てるシーンも、まったく不快感が出ない。ラブコメのヒロインに必要な、女性たちが味方をしたくなる愛らしさを川口春奈は備えている。

そして、横浜流星は男っぽい表情の見せ方が抜群だ。普段の飄々としているときの駿とは別人のような、「藤野さんのことをもっと知りたい」とくるみに言われたときの真剣な表情。その眉も、黒目も、普段よりずっと陰影が濃くなっている気がして、匂い立つ男の色気に魔法をかけられてしまう。

このドラマはいつも中盤まではそっと背中を撫でるような柔らかい雰囲気なのに、終盤でいきなり力強く手を握ってくるように攻めてくるから気が抜けない。そのギャップもまたついつい夢中になってしまう理由のひとつだろう。

日本に帰ってきた葉山がいよいよ次回から本格的に物語に参戦する。どうやらあのシェアハウスの6人目の住人としてしばらく共同生活を送るようだけど、そんなのもう面白くなるに決まっている。あのでっかいメガネをかけた向井理は、一般的な感覚でいえばビジュアルダウンしているはずなのに、なぜかキュートさが増しているから手に負えない。来週は最初から最後まで思い切りときめく準備をして観ようと思う。

着飾ることは、そんなに悪いことなのだろうか

ただ、ひとつ気になることがある。着飾ることは、そんなに悪いことなのだろうか。自分なりにルールを決めて頑張ることは、そんなにいけないことなのだろうか。

誰かに褒めてもらいたくて背伸びをすること。人の役に立ちたくて一生懸命になること。それは何も悪いことじゃない。もちろん無理をしすぎることはよくないけど、でも頑張っている人に「無理しなくていい」と言うことも、なんだか無神経な気がする。

たとえば着飾ることだって、別に人の目を気にしてやっているわけじゃない。単純に、好きな洋服を身にまとうと気持ちが上がるから。似合うメイクをすると、いつもより胸を張れるから。そういう自分が好きでやっている人だって、たくさんいると思う。実際、頑張って着飾っているくるみはちっとも不幸せそうではないし、女性がおしゃれをするのは決して男性のためだけじゃない。

前回、有名なプロダクトデザイナー呉美恵(ウー・メイファン)との対談の日にいつもより気合いを入れておしゃれをしたくるみに、駿は「何もしなくていいのに、ビフォーのままで」と言った。もちろんそれはありのままのくるみを好いてくれているからだし、おそらくだけど「葉山社長の大事なゲストが来るから」という言葉に対するやきもちだってあるだろう。だけど、頑張っておしゃれをしたのにそんなことを言われたらげんなりしてしまう人だっていそうだ。少なくとも自分なら結構テンションが下がる。

駿はこれまでわりと自分の価値観をくるみに押しつけているように見える。そして、くるみもそれをなんだかんだと受け入れている。だけど、本来、人と人との関わりは、どちらか一方だけが影響を与えられるものではないはず。お互いが、お互いに、いい影響を与え合う。そういう関係の方がずっと美しい。

無理をしない、ありのままでいい、という駿の考えは、過去に店を潰してしまった失敗から来ているのだと思うけど、なんだかそれに執着しすぎているような気も。5話のラストでくるみを渓流釣りに誘ったように、駿自身がもっとこれから変わっていかないと、くるみより駿の方が窮屈そうだ。

「自分の価値は、自分で決める」。そう駿は言っていた。だけど、今の駿に本当にそれができているのだろうか。「誰にも左右されない」と言っている駿は、そう思わないと心が崩れていってしまいそうに見えた。自分の価値は、自分で決める。それはそう。とても正しい。でも、正しさとはひとつではない。同じように、誰かがくれる価値が、自分の自信になることだってあるんじゃないだろうか。「あなた、天才よ」の言葉が、駿の心を救ってくれたように。

本当の意味で着飾っているのは、もしかしたらくるみじゃなくて、駿の方なのではないだろうか。

一方で、葉山は頑張っているくるみを認めてくれる存在だ。葉山は決してくるみの考えや、やっていることを否定しない。着飾ることも、無理することも、全部含めて、真柴くるみ。そう見ている気がする。

じゃあ、くるみにとって、どちらがより心地のいい相手なのか。このあたりが今後のキーになってきたら面白いなと思うのだけど、さあどうだろう。

着飾る恋には理由があって。このタイトルの「理由」に込められた意味が、この先に見えてくることを期待したい。

(文・横川良明/イラスト・まつもとりえこ)

【第6話(5月26日[月]放送)あらすじ】
駿(横浜流星)が部屋で目を覚ますと、隣で祥吾(向井理)が気持ちよさそうに寝ていた。このシェアハウスの珍客に一番反対すると思った駿だったが、意外にも祥吾を快く受け入れる。自分がかつて好きだった人のことを快く受け入れる駿のことが益々わからなくなる真柴(川口春奈)。

祥吾と思わぬ再会を果たしたことで、真柴はいつかバイヤーになるという夢をより一層強める。祥吾はその夢を全面的に応援すると伝え、次第に二人の距離が近づいていく一方で真柴と駿の心が離れていく。

一方、妊娠騒動以来、陽人(丸山隆平)は羽瀬(中村アン)が自分を避けているのでは?と気にしていた。羽瀬の"塩対応"に惑わされる陽人は関係を改善させようと奔走するも二人の間に思わぬアクシデントが。

シェアハウスに新たに祥吾が加わり、奇妙な6人の共同生活が始まる。

◆放送情報
『着飾る恋には理由があって』
毎週火曜日22:00よりTBS系にて放送中
地上波放送終了後、動画配信サービス『Paravi』にて配信。
Paraviオリジナルストーリー『着飾らない恋には理由があって』も独占配信中。

(C)TBS

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