天空の谷に広がる絶景
アルゼンチンのパタゴニア地方にそびえるアンデス山脈。そこに「ロス・アレルセス国立公園」はあります。広さはおよそ1900平方キロに及び、山間にいくつもの湖が点在する美しい国立公園です。
昔は、この一帯は氷河に覆われていました。そのため、湖は全て氷河が大地を削ってできた氷河湖です。
氷河湖のひとつロス・アンティグオ湖は、なんと水がエメラルド色です。
なぜ、このような色になっているのでしょうか?
不思議な色のヒミツ
ロス・アンティグオ湖の正面の谷に見える氷河。万年雪が氷の塊となり、やがて自らの重みで崖から崩れ、流れ出します。
山を削りながら流れる氷河は、大量の岩の粒子を湖に運びます。この時、無数の粒子が太陽光を反射するため、水がエメラルド色に輝くのです。
また、湖を囲う崖は、上は森・下は岩と、はっきり二つに分かれています。これは、かつてこの境界線まで氷河で埋め尽くされていたことを示しています。
氷河が山を削り谷に。やがて氷河が後退し、谷がむき出しになったところに雪解け水が溜まり、氷河湖になりました。
ちなみに、氷河から離れた湖では、流れ込んだ粒子が湖底に沈んでしまうため、湖水が澄み切った青色のところもあります。
ロス・アレルセス国立公園は、氷河が生んだ美しい景観とパタゴニアヒバの原生林が評価され、2017年に世界遺産に登録されました。
世界遺産
日曜よる6:00~