世界遺産の中に、なぜ一軒家が…
西ノルウェーには、入り組んだフィヨルド(内陸に入り込んだ入り江)が連なっており、その中には世界遺産の一つ「ガイランゲルフィヨルド」があります。
その切り立った断崖の中腹に、ポツンと一軒家があります。
僅かな平地に建てられた家には、50年ほど前まで実際に人が住んでいました。
昔はこの場所にも、フィヨルドの限られた平地を耕したり、放牧をしたりしながら暮らす人々がいたそうです。しかしその多くが便利な街に移り住み、過疎化が進みました。
ここにある家々は、フィヨルドの暮らしを語り継ぐものとして、自然遺産に含まれています。
現在も、人が暮らす集落があった
「ガイランゲルフィヨルド」のほか、「ネーロイフィヨルド」を含め、「西ノルウェーのフィヨルド群」は、類い稀な景観美により 2005年 世界遺産に登録されました。
世界遺産内には、まだ人が暮らしている「ディールダル集落」も存在しています。
かつては100人以上が住んでいたそうですが、現在暮らしているのは、アーリル・ディールダルさんという男性一人だけ。
村の景観を守る彼は、“世界遺産の庭師”とも呼ばれています。交通手段は船のみで、郵便物は観光船がついでに届けてくれるそうです。
「私にとって、フィヨルドは絵画のようなもの。アート作品のように常に新しい発見がある。フィヨルドは自分の物のように大切に思える」と、アーリルさんは語ります。
ノルウェーにある絶景の世界遺産には、自然に寄り添って生きる人の姿がありました。
8/30(日) の『世界遺産』
世界遺産
日曜よる6:00~