北海道コンサドーレ札幌の新ユニフォームに込められたデザイナーの思い「責任を感じながら…」

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5月20日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、「ファッション×サッカー」を特集。ゲストにファッションデザイナーの相澤陽介を迎え、ファッションによるサッカーの“魅せ方”について、トークを繰り広げた。

コムデギャルソンでの勤務を経て、2006年に自身のブランドとなるホワイト・マウンテニアリングを立ち上げた相澤は、「服を着るフィールドは全てアウトドア」をコンセプトにパリコレにも参加。アディダスやバートン、ユニクロなどの有名企業とコラボし、2012年にはロンドンオリンピックで日本選手団のウォームアップウェアも手掛けている。そんな世界的なファッションデザイナーの相澤を北海道コンサドーレ札幌に招いたのが、当時のコンサドーレ社長であり、現Jリーグチェアマンの野々村芳和だった。

「デザインでクラブを強くしたい」という野々村に請われる形で、2019年に相澤は北海道コンサドーレ札幌のクリエイティブディレクターに就任。まず相澤は、ファッション性を伴ったクラブのウェアを手掛けることになる。普段着使いできる相澤によるクラブのアパレルラインは好評を博し、新規ファンの獲得にも成功。街中で着ることを意識したデザインに、解説の福田正博も「言われなかったらわかんないですよ、コンサドーレのものだと」と感心していた。

さらに、相澤と関わりのある一流のクリエイターたちが撮影したウェアの紹介ムービーは、思わぬ効果をもたらした。相澤は「若手の選手とか、こういうムービーに出たいとリクエストしてくれるんですね。ムービーでのイメージアップを心がけているので、若手の選手がこれを一つの目標にするのもいいことなのかなと思っています」と明かす。

スタイリッシュさを打ち出し、クラブイメージを洗練させた相澤が次に手掛けたのは、クラブの顔でもあるユニフォームだった。チームのユニフォームといえば、メーカー側が作成するのが一般的だが、相澤はデザインからパターンメイキングまで全てを担当。パートナー企業のマークの色もデザインに合わせて変更してもらうなど、相澤のこだわりの詰まった唯一無二のユニフォームが誕生した。

また、今シーズンのユニフォームは、クラブ発足27年にちなみ、27本のストライプで構成。胸にはうっすらと北海道の地図が浮かび、雪の結晶や森の木々のモチーフなども並んでいる。細やかなデザインが特徴的なユニフォームを完成させた相澤は、池谷実悠アナウンサーから「選手たちが着ているのを見るとどんな気持ちになりますか?」と聞かれ、自身の思いを打ち明ける。

「うれしい反面、すごい責任を感じながらデザインをしているので、どのくらいまで皆さんに受け入れてもらえるのか、開幕前まで緊張します」という相澤に、MCの勝村政信は「勝っていればいいけど、負けが続いたりすると、俺のせいなのか? みたいに思っちゃうじゃないですか」と指摘。相澤は「でもそのくらいの気持ちで関わっていかないと、サポーターのもとまで届かない。ちょっと熱いサポーターの目線で仕事をしていますね」と自身のスタンスを語った。チームを強くするためのデザインに全身全霊で応えた相澤の新ユニフォームは、前年と比べて売上が138%もアップしているという。

そんな北海道コンサドーレ札幌と同様に、デザインの力を意識しながら、グッズ展開を行っているのが浦和レッズだった。物販収入が常にJリーグトップの浦和レッズは、特に世界観の統一を重視。クラブの一体感を後押しするグッズ展開を行っている。同時に、サポーターが思わずグッズを欲しくなるような“魅せ方”にも注力。グッズPRの専門スタッフを設け、専用のSNSで告知するなど、周知を徹底していた。

他にも浦和レッズでは、チームの優勝や選手の記録達成など、サポーターの熱が冷めやらない需要の“ホット”な瞬間を狙う「ホットマーケット」と呼ばれる商品展開にも力を入れている。5月6日、チームがアジア・チャンピオンズリーグで優勝した直後に優勝記念グッズを売り出し、わずか2日で1.2億円もの売上を上げている。

そして、デザインによって新たな定義づけを行おうとしているクラブもあった。名古屋グランパスは、クラブの象徴であるエンブレムをサポーターと議論しながら、創り上げていくプロジェクトをスタート。会場では、約50人のサポーターとスタッフが名古屋らしさや価値観などのキーワードを出し合い、デザインに落とし込んでいくという作業が行われていた。

新しいエンブレムは、来シーズンにお披露目の予定。クラブスペシャルフェローの楢崎正剛は「エンブレムはクラブそのものだと思います。新しい未来を作れるような、誇りに思ってもらえるようなエンブレムになればいいなと思います」と期待を寄せていた。

相澤は「ユニフォームやエンブレムが変わっていくということは、新しい価値を作っていくということ。それがサッカーにはすごく重要だと思う」と主張。勝村も「海外の選手って得点を入れると、必ずエンブレムにキスしたり、叩いたりする。そういう思いをみなさんが作りはじめていて、すごいうれしい気持ちになりました」と声を弾ませた。

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